ライブや配信でプロが使う「イヤモニ」—自分の耳型から作るカスタムIEMはフィット感と遮音性が段違い。本記事では型取りの流れや費用相場、なぜ口を開けるのかといった疑問、自宅での耳型採取キットの使い方、過去の事故例と安全対策まで徹底解説します。
初心者でも耳鼻科チェックを含む準備から完成までのコツを押さえ、世界に一つだけの極上イヤモニ作りに挑戦しましょう。迷わず読み進めて理想のサウンド環境を手に入れてください。
また、下記では【2025年版】イヤモニおすすめ20選!初心者向けモデルからプロ向けモデルまで紹介について詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 イヤモニ(インイヤーモニター)は、音楽を愛するすべての人々にとって、ライブパフォーマンスや音楽制作をより豊かに体験するための必須アイテムです。 かつてはプロミュージシャン専用の高価なツールとして知られ ... 続きを見る
【2025年版】イヤモニおすすめ20選!初心者向けモデルからプロ向けモデルまで紹介
そもそも、イヤモニとは?
イヤモニ(インイヤーモニター)は、ライブ中のアーティストや配信者が自分の歌声・演奏を正確にモニタリングするために開発されたプロ用イヤホンです。耳穴に密着するシェルと高遮音デザインにより外部音を大幅にカットし、低い音量でも細かなニュアンスを確認できるのが特徴。
近年はカスタムIEMとして耳型を採取し、装着感・音質を個別最適化できることからオーディオファンにも人気が拡大。長時間装着しても痛くなりにくく、騒音の中でもクリアなサウンドを楽しめます。
イヤモニの型取り(耳型採取)の流れ
カスタムIEMづくりの成否は、実はこの「耳型採取」の精度にほとんど左右されます。耳道のわずかな凹凸までも再現できれば、遮音性・装着感・音質の三拍子がそろったオンリーワンのイヤモニが完成。
しかし手順を誤るとシェルが浮いて低音が逃げたり、長時間装着で痛みが出る原因にも。本章では採取前の準備から完成チェックまで、プロの補聴器技師が行う手順をベースに4ステップで解説します。流れを把握すれば、ショップ選びや自作キット利用時の不安もぐっと減るはずです。
- 耳型採取前の準備
- シリコン注入工程
- 固化・取り外し
- 完成チェック
耳型採取前の準備
採取当日は耳垢を除去しておくのが鉄則です。耳垢が残っているとシリコンとの間に隙間が生まれ、完成品に気密不良が起こる可能性があります。
耳鼻科でのクリーニングが理想ですが、市販のイヤークリーナーでもOK。加えて、風邪やアレルギーで耳管が腫れていると本来より狭い型が取れてしまうので体調もチェックしましょう。
採取中は外耳道を保護するためのコットンブロックを鼓膜手前に挿入し、浮き防止に潤滑オイルを塗布。技師とのコミュニケーションも重要で、「ライブ中は口を開けて歌う」「ベースを弾く姿勢が前傾気味」など使用状況を共有すれば、より適切な顎位置や頭部姿勢で型を取れます。
シリコン注入工程
シリコンは硬化速度が一定なので、片耳ずつテンポよく注入するのがコツ。専用シリンジのノズルを耳道の入口まで差し込み、根元から気泡を追い出すようにゆっくり押し出します。
途中で注入が止まるとエアポケットが入り、完成後のシェルに凹みができる原因になります。シリンジを引き抜く際はノズルを回転させながら戻すと、耳道壁を傷つけず均一な厚みを保てます。
さらに、顎を少し開けた状態で固定すると筋肉が緩み、歌唱や会話時の動きを想定した自然なフィットを実現できます。注入完了後は表面を指で軽く整えて凹凸をならし、硬化ムラを防ぎます。
固化・取り外し
硬化時間はシリコンの種類や室温で異なりますが、一般的には5〜8分が目安。早く動かしたくても、ここで触れると隙間ができるので我慢が必要です。硬化が進むと表面がマットになり弾力が出てきます。
取り外しはブロック糸をゆっくり引き、シリコンを軽くねじりながら回収。焦って一気に引き抜くと耳道表皮を傷つけたり、型が裂ける恐れがあります。
取り外した耳型はすぐに目視で亀裂や欠けをチェックし、問題がなければ乾燥剤入りのケースへ保管。汗や湿気を含んだまま放置すると、硬化後に収縮して寸法が変わってしまいます。
完成チェック
完成チェックでは、外耳道の奥行き・二次曲がりの再現度・耳介との境目が滑らかかを確認します。光を当てて内面に気泡がないか透過検査を行い、穴や裂けがあれば再採取を指示。
左右で厚みや長さが極端に違う場合も作り直しが必要です。問題なければ型にユーザー名・採取日・顎開け状態を明記し、メーカーへ発送。
デジタル化に対応しているラボでは、3Dスキャナでデータ化してから返却してくれるため、将来シェルを作り直す際も再採取が不要になります。ここまで丁寧にチェックすれば、密閉度と快適性を兼ね備えた理想のカスタムIEMへの第一歩が完了です。
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イヤモニの型取りはなぜ口を開けるの?
歌唱や演奏中は顎を動かすたびに外耳道も微妙に変形します。口を閉じた状態で耳型を取ると、実際のステージではシェルが押し上げられて密閉が崩れ、低音が抜けたり痛みの原因に。
そこで採取時に軽く口を開け、歌唱時と同じ顎位置を再現することで、動いても気密性が保たれる“余裕を持った”形状を確保できます。とくにボーカリストやMCは口の開閉幅が大きいため、技師の指示に合わせて「あくび程度」まで開け、硬化中もその姿勢をキープすることが重要です。
イヤモニの型取りの値段はいくらくらい?
耳型採取の費用は採取を誰が行うかとデータ化サービスの有無で変わります。
補聴器店や耳鼻科など専門技師が実施する場合、左右セットで3,000~6,000円が相場。カスタムIEM専門店では製品購入と同時申し込みで無料~3,000円程度に割引されるケースも多く、イベント出張ブースではキャンペーン価格2,000円前後になることもあります。
一方、自宅用シリコンキットは送料込み4,000~8,000円前後ですが、失敗した際の再採取コスト(2,000円前後)を考えると、初回はプロ依頼がおすすめです。さらに3Dスキャンでデジタルデータ化する場合はプラス2,000~3,000円が目安。
合計費用と安心感を比べ、自分に合った方法を選びましょう。
イヤモニの型取りを自分ですることはできる?
市販のイヤモニ用「耳型採取キット」(二液性シリコン+シリンジ+コットンブロック)を使えば自宅でも作業自体は可能です。
手順は①外耳道を清掃しコットンを鼓膜手前に設置、②シリンジでシリコンを均一に注入、③5〜8分硬化を待ち、④ゆっくり抜いて完成──とシンプル。ただし注入角度がズレると気泡や短尺型になりやすく、再採取の送料・材料費が追加でかさむ点がネックです。
また鼓膜近くまでシリコンが届かず遮音性が低下したり、誤って深く押し込みすぎると外耳道を傷付けるリスクも。聴器店でのプロ採取(3,000〜6,000円前後)を一度体験し、2回目以降の微調整用として自宅採取を活用するハイブリッド運用がおすすめです。
過去にイヤモニの型取りで事故が起きたことはある?
耳型採取は安全性が確立された手技ですが、耳道は薄い皮膚と鼓膜で守られた繊細な器官です。器具の扱い方やシリコンの硬化過程を誤ると痛みや外耳道炎など思わぬトラブルが発生します。ここでは実際に報告された事故例と、再発防止のために押さえておきたい安全対策を紹介します。
- 耳型採取事故例
- 安全対策ポイント
耳型採取事故例
代表的なケースはシリコンクロッグ──硬化前に顎を動かしたり、注入量を誤って奥まで押し込みすぎた結果、シリコンが鼓膜付近で固まり除去に外科的処置を要した例があります。また、耳鼻科を通さず自己採取した際にコットンブロックを忘れて鼓膜に直接シリコンが触れ、激痛と一時的な聴力低下を招いた事例も。
さらに、ノズルで外耳道壁を擦り微細な傷から細菌感染が起こり、外耳道炎や中耳炎に悪化した報告も散見されます。いずれも適切な器具選択と採取者の技能不足が原因とされ、特にライブ前の時間不足で急ぎ作業をした際にリスクが高まる傾向が指摘されています。
安全対策ポイント
安全確保の基本はプロフェッショナル依頼です。耳鼻科や補聴器技師は鼓膜位置を確認しながらコットンブロックを正確に配置し、適切な量と硬化時間を守ります。
自宅キットを使う場合は①鏡で耳垢や炎症がないか確認、②コットンブロックを必ず挿入し糸を外に出す、③シリンジをゆっくり根元から引き上げ気泡を防ぐ、④硬化完了まで顎の動きを最小限にする、の4ステップを徹底しましょう。
硬化後はライトで透過検査し穴や亀裂が無いかチェックし、少しでも異物感や痛みがあれば無理に引き抜かず専門家へ相談することが重要です。これらを守れば、イヤモニ製作を安心・安全に進められます。
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まとめ
カスタムIEMは、耳型採取の精度こそが装着感と音質を左右する核心ポイントです。プロに依頼すると3,000〜6,000円、自作ならキット4,000円台から挑戦できますが、失敗コストと安全性を考慮すると初回は専門技師がおすすめ。
採取時は口を開けて顎位置を再現し、コットンブロックや硬化時間を厳守することでトラブルを防げます。事故例を教訓にチェックリストを徹底すれば、世界に一つのイヤモニがあなたの音楽体験を劇的に高めてくれるはずです。
安全・確実な型取りで、極上のフィットとクリアなモニタリングを手に入れましょう。